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2012.01.19
共焦点レーザー顕微鏡 シリコーン浸30倍対物レンズを用いたホールマウント免疫蛍光染色標本の観察
コンフォーカル顕微鏡を用いる利点の一つは厚みのあるサンプルの奥深くからの画像を取得できる点である。ホールマウントで蛍光染色された胚や組織片などの標本を観察する場合、全体像を取得した後に特定の部位を高解像度で観察する事が多い。しかし低倍率の乾燥系のレンズと高倍率高解像度の液侵レンズとの併用は、侵潤液の添加、除去の際に、標本を傷つける事などのリスクから多用は勧められない。コンフォーカル顕微鏡のズーム機能を使って10倍以上に倍率を上げる事が可能であるが、レンズの光学分解能の限界がある。
今回UPLSAPO30XSを用いてホールマウントされたショウジョウバエ胚の観察において、1x〜10xの幅でのズーム機能の有効性を検討した。
独立行政法人 理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター 林 茂生先生
方法
ショウジョウバエ気管原基でβガラクシドダーゼを発現させるエンハンサートラップ株の胚をホルムアルデヒド固定し、ウサギ抗βガラクシドダーゼ抗体とマウス抗Dlg抗体、およびラット抗Eカドヘリン抗体で処理した後にAlexa555、Alexa488、DyLight649でそれぞれ標識された二次抗体で処理し、1μg/mlのDAPIを含む1:1 glycerol/PBS溶液で平衡化してスライドにマウントした。
標本がつぶれないようにカバーグラス(0.17mm厚)をスペーサーとして用いた(提供:近藤武史博士)。UPLSAPO30XSを用いて、4色のレーザー(LD405、LD473、LD559、LD635)を搭載したFV1000で、sequential modeで画像を取得した。
結果と考察
ズームなしの観察でショウジョウバエ胚(長さ〜500μm、幅〜180μm)を479.4×359.4μm2の視野におさめることができた。(図1)
図1 ショウジョウバエ胚(ステージ11)
ズーム1倍。赤は陥入中の気管原基(βガラクシドダーゼ)、緑は細胞境界(Dlg)を示す。
図2 ズーム4倍像
上と左にx-z、y-z断層像を示す。
図3 ズーム10倍像
Eカドヘリン(白)と細胞核(DAPI、青)のチャンネルを示す。
ズームを4倍にして光学切片を27.5μmの深さまでとったものと、ズーム10倍で深さ80μmまでとった画像を示す(図2、3)。平面像では細胞の側方に均一に分布することが知られているDlgのシグナルをz軸の再構成像で確認することができた(図3)。
従ってこの深さまではシグナル強度の減衰が大きい問題とはならないことが確認された。UPLSAPO30XSを用いることで胚の全体像の観察から目的の領域を発見し、ズームアップして1細胞レベルの細胞形態を観察するまでの一連の作業をシームレスに行うことが可能になった。同様の解析は同様のサイズを持つ哺乳動物初期胚や、脳切片などにも適用が可能であろう。
セミナー動画
日本発生生物学会 第44回大会 オリンパスランチョンセミナー [2011年5月19日(木)]
「共焦点レーザー顕微鏡FV1000を使用した蛍光イメージングのアプリケーション 」
タイトル:「コンフォーカル顕微鏡を使い倒して発生を見よう」
講演者:理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター
形態形成シグナル研究グループ グループディレクター
林 茂生 先生
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タイトル:「シリコーン浸対物レンズが拓く新しい蛍光イメージング」
講演者:オリンパス株式会社 LI開発1部
阿部 勝行
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関連リンク
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